阪神・淡路大震災や東日本大震災で発生した火災の内、
出火原因が特定された火災の中の60%以上が電気を起因とするものになっています。
また、地震による停電が復旧し、電気が通じたことによる電気機器の出火も数多く見られます。
つまり、地震時に通電を遮断することが火災の発生を防ぐ上で有効ということです。
●感震ブレーカーの設置
感震ブレーカーとは、地震の揺れをセンサーが感知し、
震度があらかじめ設定しておいた数値以上になると作動して通電を遮断する器具のことです。
感震ブレーカーには、機能の異なる「分電盤タイプ」、「コンセントタイプ」、「簡易タイプ」の3種類があります。
また、適正な感震ブレーカーには性能を評価する団体の認証や推奨マークが付されています。
1)分電盤タイプ
分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、電気を遮断する機能が付いています。
基本的に、家に通っている全ての電気が遮断されます。取付けには業者による工事が必要です。
なお、揺れを感知してからブレーカーが落ちるまでに時間差を設けているものが多く、
その時間差を利用して避難します。
また、地震による停電の発生後、電気の復旧を原因とする出火を防ぐため、ブレーカーが遮断されます。
電気器具が倒れていないか、コードが切れていないかなど、
安全を確認してからブレーカーのスイッチを戻すことで、通電火災を未然に防止します。
2)コンセントタイプ
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、当該コンセントからの電力の供給だけを遮断します。
コンセントに差込むタイプと、既存のコンセントと取り換えて埋め込むタイプがあります。
個別のコンセントの電気だけを遮断できるため、全ての電気を止めるのではなく、
電気ストーブやオーブンレンジなどの熱を出す器具に限定したい場合に適しています。
差込むタイプは工事が不要ですが、既存のコンセントと取換える埋込みタイプは工事が必要です。
3)簡易タイプ
ブレーカーに直接取付ける簡易的なもののため、工事の必要がありません。
一定の震度以上になると「おもり」が落下し、ブレーカーのスイッチを下げることで電力供給を遮断します。
揺れを感知すると同時に作動し、家の中の全ての電気が即時に切れます。
●まとめ
地震による火災のほとんどは電気器具が火元になっています。
従って、地震が起きた時に通電を遮断する感震ブレーカーを設置することで、多くの火災の発生を防ぐことができます。
なお、感震ブレーカーには3つのタイプがあるため、必要に応じて使い分けます。