電気を使用する私たちの生活には、電気を届ける電線が必要です。
また電線だけでなくテレビを映すためのケーブルやインターネットを利用するためのケーブルなど、
家のなかにはさまざまなケーブルが張り巡らされています。
ケーブル類が必要であると同時にそれらを敷設する配線工事もまた必要不可欠となります。
配線工事の作業風景というものはあまり見る機会がなく、
一体なにをしているのだろうとお思いの方も多いのではないでしょうか。
また、電気に少し詳しく器用な人のなかには、
自分で配線工事をしてみようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかしプロでなければケガや事故につながることもあるのです。
今回も前回に引き続き、電気配線の工事、その全容についてご紹介致します。
5.スムーズな配線工事にはなにが必要?配線に便利な道具
DIYでスムーズに電気配線の工事をするためには、
作業が楽になる便利な道具を使うのがよいでしょう。
ここではなかでも良く使われている「通線ワイヤー」と「ケーブルキャッチャー」について解説します。
■通線ワイヤー
通線ワイヤーは通線用スチールともよばれ、配管にケーブルを通すために使われる道具です。
配管とはさまざまなケーブルが納められている管で、
ケーブルを押し込むだけでは通しづらいことがよくあります。
そこで通線ワイヤーを使うことで楽にケーブルを通すことができるのです。
使い方
1.ケーブルを引き寄せる側の配管から通線ワイヤーをさし込み、反対側から出るまで押しこみます。
2.配管から出てきた通線ワイヤーにケーブルをくくりつけます。
3.差し込んだ側から通線ワイヤーをゆっくり引き上げ完了です。
このとき通線用の潤滑油を使うとより楽に作業することができるうえ、
効果が持続するため後にケーブルを追加することになっても作業が楽になります。
通線ワイヤーは高額で配線工事以外に使用する機会がないことから、
ビニールひもで代替されることがよくあります。
使い方は通線ワイヤーと同様で、違いといえば
配管から取り出す際に掃除機などで吸う必要があるだけです。
■ケーブルキャッチャー
ケーブルキャッチャーは、離れたところにあるケーブルを引き寄せる際に使用します。
構造はマジックハンドのようになっており、片手で使えるように小型化されていることが特徴です。
配線工事は天井裏などの狭い場所で行うことが多く、
少し離れたところにあるケーブルを引き寄せるのにも苦労するといった場面が多くあります。
そういった場面でこのケーブルキャッチャーは重宝されています。
ケーブルキャッチャーもプロでなければさほど使う機会がないため、
代替品を使う場合があります。よく使われているのはコンベックスです。
コンベックスは工作用に使われている金属製の巻尺で、金属でできているため延ばしてもピンと張ることができます。
先端がL字に折れているためこれを利用して、離れたところにあるケーブルを引き寄せることができます。