ー電気工事の照明設置で失敗しない基礎知識と依頼のコツー

ー電気工事の照明設置で失敗しない基礎知識と依頼のコツー

電気工事の照明設置の基本

新築・リフォーム問わず、照明は「どこに・どれだけ・どんな光で」設置するかで満足度が大きく変わります。生活動線、作業内容、眩しさの許容度を整理し、配線・スイッチ計画と一体で考えることが成功の近道です。

主な照明方式と使い分け

・全般照明（シーリング・ダウンライト）：部屋全体を均一に明るくします。
・タスク照明（ペンダント・スポット）：キッチンやデスクなど作業面を狙います。
・アクセント照明（間接照明・ブラケット）：壁や天井を照らし、陰影で質感と奥行きを演出します。

器具選定のポイント

・色温度：リビングは暖かい2700–3000K、作業空間は4000K前後が目安。
・演色性：RA90以上は料理や化粧が自然に見えます。
・配光角：ダウンライトは広角でムラを抑え、絵や棚は狭角でポイントを際立てます。

スイッチ・回路設計

・同室でも回路を分け、必要な場所だけ点けられるように。
・調光・調色対応にして時間帯や用途で雰囲気を切替。
・人感・明暗センサーは玄関・廊下・トイレで節電と利便性を両立します。

依頼前チェックと費用・注意点

家庭での軽微な器具交換以外は有資格者の電気工事が必要です。漏電・発熱リスクを避けるため、天井裏の配線分岐や新設回路はプロに依頼しましょう。現地調査で天井下地や配線経路、分電盤の余力を確認することが重要です。

見積りの比較観点

・回路数とスイッチ数、天井補修の有無、穴あけ位置の美観配慮。
・器具型番（光束・色温度・演色性）と保証年数。
・高所作業・足場やコア抜きなど追加工事の発生条件。

施工時のチェック

・ダウンライト位置は壁から450–600mmを基準に均等割り。
・ペンダントはテーブル幅の1/3程度の配光を意識。
・壁スイッチ高さはJIS基準の約1200mm前後が操作しやすいです。

よくある失敗と回避策

・まぶしさ：グレアカットタイプや間接照明で視線に直光を入れない。
・暗さ：ルーメン不足は回路分割や補助灯で調整。
・色の違和感：部屋ごとに色温度を決めて混在を避ける。

DIYの可否

器具の単純交換は説明書どおりなら可能な場合もありますが、配線の延長・分岐、新設スイッチは電気工事士の作業範囲です。安全と保険適用を考え、無理は禁物です。

省エネ・スマート化

・LEDは長寿命で消費電力を大幅削減。調光と組み合わせるとさらに効率化。
・スマートスイッチで外出先から操作やスケジュール制御、音声連携も可能。
・明るさセンサー連動で昼間の無駄点灯を防ぎます。

工期と段取り

一般的な戸建の部分照明なら半日〜1日、配線新設や下地補修を伴う全体計画では1〜2日が目安です。家具移動や養生範囲、騒音時間を事前共有し、完了後は点灯試験とブレーカ表示の更新まで確認しましょう。