ビルの電気設備は法定点検・安全点検の義務あり!規則と点検内容

ビルの電気設備は法定点検・安全点検の義務あり!規則と点検内容

オフィスビルなどで「ビル点検のため閉館」という文言を聞いたことはありませんか?
点検でビルが使用出来ないときは多くの場合、ビルの電気設備の点検を行っています。

このページではビルの電気設備の法定点検の規則や点検内容について解説します。

 

電気設備とは

電気設備とは電気の発電、送電、受電する設備のことを指します。

大規模なものでは発電所も電気設備ですし、家庭のコンセントやスイッチも電気設備です。

電気は安全に使えるように以下のような法律・法令により規定が設定されています。

 

・電気事業法

・電気関係報告規則

・電気設備に関する技術基準を定める省令

・電気設備技術基準の解釈

・電気工事士法

・電気工事業の業務の適正化に関する法律

・電気用品安全法

・高圧受電設備規定

 

電気設備の法定点検

電気工作物の種類

電気工作物には大きく分けて

・一般用電気工作物

・事業用電気工作物

の2つに分けられます。

 

一般用電気工作物は主に一般戸建て住宅や小規模店舗用の電気設備です。

建物内で発電せず、送電線から600V以下の受電をしている電気工作物で、受電する機器は建物の外にある点が特徴です。

事業用電気工作物は発電所や工場、大型ショッピングセンターのような事業用に使われる電気設備のことです。

 

事業所用電気工作物の中でも以下の3つは自家用電気工作物と呼びます。

・7000V以下で受電する需要設備

・出力1000kW未満の原子力発電所以外の発電所

・600V以下の配電線路を管理する事業所

 

法定点検の規則

事業用電気工作物、自家用電気工作物を扱う事業者は定期的な自主点検をすることが電気事業法第42条で定められています。

定期点検を実施することは義務付けられていますが、電気設備の内容や用途がビルによって異なるため、細かい点検内容までは定められていません。

そのため、事業者は保安規定を作成して産業保安監督部に提出します。

 

点検作業の主な内容

一般的なビルでは電力会社から6600Vもの高圧な電気を引き込み、建物内にあるキュービクルと呼ばれる設備で100V、200Vの電圧に変換して使用しています。

 

通常、年次点検ではビル全館を停電して実施します。

点検では主に電圧変換用の変圧器、緊急時に作動する断路器等の確認や、測定器を使って漏電が無いかの調査を行います。

また点検のため停電にした機会に、埃が原因の火災を防ぐための設備周辺の清掃を行う事もあります。

 

電気設備を安全に使うために点検が必要

ビルで安全に電気を使うためにも電気設備の点検は重要です。
点検の内容や方法はビル管理事業者やビルが所在する地域によっても異なります。

自治体のルールをよく確認して法令に基づいた点検を行うことが必要です。